リニア・鉄道館でドクターイエローの車内へ!955形「300X」の運転席にも座れた4時間

2026年9月20日、リニア・鉄道館へ。2日間だけ公開された955形「300X」の運転席に座り、923形ドクターイエローの車内にも入りました。4時間のうち1時間半は行列でしたが、それでも行く価値のある一日でした。

「SCMAGLEV and Railway Park/リニア・鉄道館」の看板を見上げるマスコットのTikoppiとプレスリー

2年ぶりにリニア・鉄道館へ行ってきました。前回はジオラマの前で2時間も過ごしてしまい、肝心の展示を見きれずに帰った場所です。今回は目当てがふたつありました。ひとつは、前回の記事で「これから始まります」と書いたドクターイエローの展示。もうひとつは、この日だけの特別公開です。結果として、この日はふたつの車両の「中」に入ることになりました。鉄道車両の展示は、外から眺めるだけのことが多いものです。中に入れる日というのは、そう何度もありません。

11時18分着。まずは300Xの列に並びました

到着は11時18分。入ってすぐ、館内に長い列ができているのが目に入りました。

955形新幹線試験電車「300X」の車内と運転台の特別公開です。9月20日と21日の2日間だけ、各日およそ1,000人を先着順で受け付けるという案内でした。運転席に座れると書いてあります。

並ぶかどうか、少し迷いました。結果として1時間ほど並ぶことになりましたが、この判断は正解でした。

300Xとは(1996年に443km/hを記録した試験車)

300Xは、JR東海が「最新・最良の高速鉄道システム」をめざして開発した新幹線試験電車です。正式な形式名は955形。1990年7月にプロジェクトが発足し、1996年7月26日に時速443.0kmを記録しました。電車方式における、当時の世界最高速度です。館内の解説パネルには、その日の速度計の写真が残されています。

300Xの車内に展示された、300X自身の模型

運転席に座りました。ここは、普段は誰も入れない場所です

順番が来て、車内へ。座席に腰を下ろすと、目の前のケースに300Xの模型が置かれていました。自分がいる車両の姿を、車内から眺めることになります。

955形「300X」の運転台。計器盤とマスコン、ブレーキハンドルが並ぶ

そして運転台です。

計器盤があり、マスコンとブレーキのハンドルがあり、右手には電話機が3台並んでいます。前面の窓の向こうには、順番を待つ人たちの姿が見えました。試験車の運転台なので、営業車とは並んでいるものが違います。速度計の目盛りを眺めているだけで、この車両が何をするために作られたのかが伝わってきました。

1時間並んだことは、もう気になりませんでした。

お昼も30分待ち。展示車両の中でお弁当を食べました

300Xを出たあとは、お昼です。館内でお弁当を購入しました。

展示車両の座席テーブルに置いた「松阪牛 牛めし」と「ちいちゃい ころころおむすび」

ここでも30分ほど並びました。日曜日ですから、当然といえば当然です。選んだのは「松阪牛 牛めし」と「ちいちゃい ころころおむすび」。ふたりで2,560円でした。ころころおむすびのほうは、天むす・唐むす・紅むす・うなぎむす・又むすの五つ味が入った小さなおむすびの詰め合わせです。

リニア・鉄道館の良いところは、買ったお弁当を展示車両の中で食べられることです。新幹線の座席に座って駅弁を広げる。走っていないのに、旅をしている気分になります。ここでも「中に入れる」のがこの施設の楽しさだと思いました。

ドクターイエローの車内へ。923形に代替わりしていました

お腹を満たして、いよいよドクターイエローです。

923形ドクターイエローの先頭部を見上げるマスコットのTikoppiとプレスリー
923形ドクターイエロー7号車の側面。「形式923 自重41.8t」の表記が見える

展示されているのは923形T4編成の7号車。2025年6月14日から公開されています。今回は車内にも入ることができました。

黄色い車体を正面から見上げると、マスコットたちが騒ぎ出しました。新大阪で見たのと同じ黄色い新幹線だ、というわけです。もっとも、あのとき撮ったのは1両目で、ここに展示されているのは7号車ですから、厳密には同じ車両ではありません。それでも、ホームを数秒で走り抜けていったあの黄色が、いま目の前で止まっています。あのときは追いかけることしかできませんでしたが、今回は好きなだけ眺められて、しかも中に入れます。

ドクターイエロー乗車イベントに遭遇!新大阪で撮影成功&リニア・鉄道館展示情報

前回展示されていたのは、先代の922形でした

2年前に訪れたときにここにいたのは、先代の922形T3編成です。923形T4編成が2025年1月に運用を終えたことを受けて、同年6月7日に922形が搬出され、入れ替わりで923形が入りました。搬出された922形は、石川県白山市のトレインパーク白山で展示されています。同じ場所に2年ぶりに来て、展示車両が代替わりしている。そういうこともあるのだと知りました。

ジオラマの夜と、保守の現場

ドクターイエローは、線路や電気設備を検測する保守用の車両です。その展示に合わせてか、館内には保守に関する展示が増えているように感じました。

大きなジオラマは、時間が進むと夜になります。暗くなった線路際に灯りがともり、よく見ると保線の作業員たちが並んで作業をしていました。昼間の華やかな走行シーンとは違う、静かな場面です。列車が走らない時間に、誰かが線路を直している。それを模型で見せるという発想に、しばらく見入ってしまいました。

夜に切り替わったジオラマ。灯りの下で線路の保守作業をする作業員たち

実物の展示も見応えがありました。パンタグラフと架線が、触れそうな距離に置かれています。ふだんは高い場所にあって見上げるしかないものを、真横から見られる機会はそうありません。すり板が架線に触れる、その一点だけで電気を受け取っている。改めて見ると、ずいぶん心もとない仕組みに思えました。

実物展示のパンタグラフと架線。すり板が架線に触れる部分が間近に見える
保守用車両の模型。黄色と青の車体が線路上に置かれている

保守用車両の模型も展示されていました。黄色と青の車体で、線路を整える機械を積んでいます。地味な車両ですが、こうして並べて見せてもらえると、鉄道が動いている裏側が少し分かった気になります。

かかった費用と、滞在時間の内訳

今回の実費と時間です。

入館料 おとな1,200円×2名=2,400円
お弁当 松阪牛 牛めし+ちいちゃい ころころおむすび=2,560円
合計 4,960円

滞在は11時18分から15時30分まで、4時間12分でした。

正直に書いておくと、このうち1時間半は並んでいた時間です。300Xで1時間、お弁当で30分。4時間のうちの1時間半ですから、3分の1を超えています。

それでも短いとは感じませんでした。むしろ、展示を見る時間が足りませんでした。並ぶ予定があるなら、開館の10時に入ってしまうのが確実です。私たちの11時18分着は、少し遅かったと思います。

まとめ|前回できなかったことが、今回できました

前回の記事に、こういう見出しを書きました。「運転シミュレーターは……できませんでした」。順番が回ってこなかったのです。

2年後、シミュレーターではなく本物の運転台に座ることになりました。しかも、443km/hを記録した試験車のものです。

前回「これから始まります」と書いた展示も、今回きちんと見てきました。書いたことを回収しに行く旅というのも、なかなか良いものです。

そして今回いちばん良かったのは、ふたつの車両の中に入れたことでした。300Xの運転席と、ドクターイエローの車内。どちらも普段は立ち入れない場所です。展示車両は外から眺めるものだと思っていましたが、中に入ると受け取るものがまるで違いました。リニア・鉄道館は、行くたびに見どころが変わります。展示車両そのものが入れ替わることもあります。一度行ったから十分、という場所ではありませんでした。

リニア・鉄道館に行ってきた!ガチャピン・ムックから巨大カブまで、ジオラマの童話世界がたまらない