久しぶりの宇都宮出張。その帰り道に、思いがけない出会いがありました。そして同時に、しっかり後悔もしてきました。
仕事を終えて、帰りのホームへ
出張の帰りに乗る新幹線は、たいてい仕事の終わり時間に合わせて予約します。打ち合わせが押すかもしれないし、早く終わるかもしれない。だから「終わったらすぐ乗れる時間」を優先して選んでしまいます。
このときも同じでした。どんな車両が来るかなど、まったく考えていませんでした。
普段使うのは東海道新幹線で、東北新幹線に乗る機会はほとんどありません。宇都宮に来ること自体、久しぶりでした。
ホームに現れた「紅い疾風」
何気なくスマートフォンを眺めていると、ふとホームに差し込む光が赤く染まったような気がして顔を上げました。
そこには、鮮やかな紅色をまとったE8系新幹線「つばさ」が静かに滑り込んでくるところでした。通称「歌舞伎カラー」。まるで伝統芸能の舞台から飛び出してきたかのような、圧倒的な存在感です。
先頭車両のシャープなノーズと、艶やかな紅色のコントラスト。ホームにいた他の乗客たちも、思わずカメラを向けていました。私も夢中でシャッターを切りながら、この美しい車両に見惚れてしまいました。
どうしても動いている姿を撮りたくて、そちらに集中していたことを覚えています。
E8系は2024年にデビューした山形新幹線の車両です。深みのある紅色は、山形県の県花「紅花」をイメージしたもの。東京から福島までは東北新幹線「やまびこ」と連結して走り、福島で切り離されて山形方面へ向かいます。宇都宮を通るのは、まだ連結したままの区間です。
そして、私が乗るのは1本あとの列車でした
ここが、この日いちばんの心残りです。
歌舞伎カラーが来たのは、私が予約していた列車の1本前でした。
目の前を、あの紅色が走り抜けていきます。撮影には成功しました。でも、乗ることはできませんでした。1本前の列車を予約していれば、あの車両に乗れていたのです。
ホームで見送りながら、じわじわと悔しさが込み上げてきました。
普段乗らない路線ほど、調べておくべきでした
冷静に考えると、原因ははっきりしています。
そもそも、E8系「歌舞伎カラー」の存在を忘れていました。
東北新幹線に乗る機会がほとんどないため、どんな車両が走っているのかを事前に調べていませんでした。「終わったらすぐ乗れる時間」だけを見て予約し、車両のことは頭にありませんでした。
おかしな話です。東海道新幹線なら、富士山を見るためにE席を指名するくらいこだわっているのに。慣れた路線では座席番号まで気にするのに、慣れない路線では何ひとつ調べていなかったわけです。
これから東北・山形新幹線に乗る方へ 予約するときに、その列車がどの車両で運行されるかを確認してみてください。「えきねっと」やJR東日本のサイトで、列車ごとの車両を調べられます。 1本ずらすだけで、乗れる車両が変わることがあります。普段使わない路線ほど、この一手間が効きます。
調べてみたら、満席でも乗る方法がありました
悔しさのあまり、帰ってから「つばさ」について調べました。そこで初めて知ったことがあります。
つばさは通年で全車指定席です。自由席はありません。ところが、指定席が満席になった場合に限り「立席特急券」が発売されるそうなのです。
- 料金は普通車指定席より330円〜930円安い
- 原則は立っての乗車(券面にも「立席特急券では着席できません」と書かれています)
- ただし空席があれば座っても差し支えないとのこと
注意したいのは買い方です。この券は「えきねっと」では発売されません。 駅の指定席券売機で、乗車日の前日または当日に購入する必要があります。ネットで予約しようとしても見つからないので、駅に行く前提で考えておく必要があります。
仕事帰りに立ちっぱなしというわけにもいきませんが、「満席だから諦める」の前に選択肢があると知れたのは収穫でした。旅行で乗るなら、十分ありだと思います。
※こちらは乗車後に調べた情報で、実際に利用したわけではありません。最新の取り扱いはJR東日本の公式案内でご確認ください。
普段の移動なら「早く帰れること」が最優先で構いません。でも、めったに乗らない路線に乗るときくらいは、少し調べてから予約する価値がある——そう思い知らされた出張でした。
まとめ|出会えたのに、乗れなかった
宇都宮駅のホームでの数分間は、確かに忘れがたい時間でした。予期していなかったぶん、目の前に現れた紅色の衝撃は大きかったです。
ただ正直なところ、乗れなかった悔しさのほうが強く残っています。
次に東北方面へ行く機会があれば、今度こそ時刻と車両を調べてから予約します。「つばさ」を優先して予約する——これが宿題になりました。
出張の帰りは、どうしても「早く帰れる列車」を選びがちです。それ自体は間違っていません。ただ、めったに来ない路線でそれをやると、こういう心残りが生まれます。次はもう少し欲張ってみようと思います。
同じ筆者が、慣れた路線ではどれだけ座席にこだわっているかは、こちらの記事に書いています。


